陰摩羅鬼の瑕読んだ

文庫版 陰摩羅鬼の瑕 (講談社文庫)

これね．泣きましたね．読んだ人は分かると思うんだけど，あのセリフで．

このシリーズはトリックとかそんなんどうでも良いんですよね．犯人が誰とかもあまり関係ない．人が死ぬわけですけど，howよりもwhyに焦点があって，それがまたとんでもなく濃い．濃いというかね，例えば理とか宴とかって複雑に絡み合ってるんだよね．広く深く．そう繋がってたのね，みたいな．

ただ今回のはね．狭いんだよね．それも究極に．犯人は最初の数ページで分かるし，物語も大方予想通りというか，ヒントがものすごい多いから，分かるわけです．分かるってのは今までもそうだと言えばそうなんです．が．今回の分かるっていうのはhowもwhyも分かるんだよね．今までのはwhyは到底予測できなかったんだけど．だからね，これは面白くないんじゃないかと，そう思ったんだけど．意外なほどに後味は良い．いや，悪いのか．とにかく切ない．展開が分かってるから考えされるってとこに因むんじゃないかと思うんだけどね．

まあとにかく良かった．これは個人的には２位あたりにランクインさせたい．オレ的ランクは以下のような感じで．

1. 理
2. 瑕
3. 宴
4. 匣
5. 夏
6. 檻
7. 夢