A thousand suns レビュー

久しぶり。いきなりアルバムレビューしてみる。

一言で言えば、「Linkin Parkじゃなかったら絶対買ってないアルバム」。チェスターが素晴らしすぎるので、そこだけは名前に見合う価値を見出せるけど・・・それ以外は全てが中途半端。Jornada Del Muertoを境に、前半・後半でガラッとサウンドが変わってる気がするので、前半・後半に分けてみる。

前半は音も曲もシンプルで、本来のLinkinならMinutes to Midnightで見せてくれたように、シンプルさ故の力強さが見られるはずなんだけど、いまいち迫力に欠ける。思うに、これはElectronicaのアプローチが中途半端なんじゃないかなぁ。Electronicaな雰囲気の中だとメロディはあんまり気にならないんだよね。そうなると音自体の面白さに欠けるところが致命的だと思う。今年でたFlying Lotusのコスモなんとかってアルバムと比べると、音自体のインパクトが全然違う。もっと大胆に変わって良かったんじゃないかなぁ。ロッキンオンで読んだインタビューから受けた印象とはだいぶ違ったのでがっかり。もっと大きく変わってるかと思ってたんだけど。

一方で後半は結構好き。前半がひどいので際立ってるだけかもしれないけどwでも音やアプローチは後半の方が面白いし、かっこいい。11曲目なんかとってもかっこいいんだけど、こういうアプローチの曲を前半にまとめて、代わりに5曲目のような曲を後半に入れても良かったんじゃないかな。前半・後半に分けると、5と11は絶対入れ替えた方がいいと思うんだが。9も面白いし、14,15はやっぱり圧巻。どちらも、変化してきたリンキンらしい曲でかなり好き。でもこれがLinkin Parkという名前で出されたアルバムじゃなければ面白くなかったと思う。14もリンキンじゃなければ・・・微妙かもしれない。15だけは別格だけど。

後は全体的に物申しておきたいのはMikeのラップだなぁ。Minutesのときはそんなに気にならなかったけど、今回はとても前面に出てきてるので気になる。よく分からないけどラッパーとしては彼はどうなんでしょう。なんかどの曲も同じようなラップで、聞いててつまらん。タイミングがリズムに合いすぎてると思うんだ。せっかくチェスターがいるんだから、マイクはもっと砕けた感じで、曲をかき乱すようなラップでも良いんじゃないかなぁ。。。Thousand聞いた後にEminemとかRage聞くとかっこよすぎて泣ける。

というわけで、ほんと微妙な一枚。でも15曲目のMessangerだけはズッコーンときました。チェスターかっこよすぎる。今回も全体通してチェスターの歌い手としての器のでかさを感じられる。15はチェスター頼みな曲だから、他の曲ではバンドサウンドの中での彼のボーカルが聞きたかったよね。それは2nd以来見れてなくて、今回も見れなかった。残念。。。

ちなみに、Jornada Del Muertoでは、日本語で「持ち上げて、解き放ちて」って言ってますよねwかたりすとの"lift me up, let me go"だと思うけど。なんというアイマス