占いについて

ぼーっとしてたらもわっと思い付いたので書いてみる.以下断定的な書き方が続くが,それはジコマンです.

未来を正確に予言することは,物理的に不可能である.だから,「あなたはx年後に結婚する」なんていうのはバカバカしい話だ.当たるわけがない.ずっとそう思ってた.

ただ,未来を予想することは誰にでも可能である.例えば,「私の最初の子供は男であるに違いない」と,こう言えちゃうわけである.そしてこれは1/2の確率で当たるだろう.私が結婚して子供を生むのなら.

この予想は,凡人はランダムに行うのが普通だが,何かポリシーを持って行う人もいるだろう.もっと過激になると,予想を導くためのインプットと全てのプロセスを正確に与えようとする人もいるだろう.そしてそういう方法が今ひとつあるとする.

この方法で,ある人の最初の子供の性別を予想することにする.その方法が,両親の生殖細胞中のhoge遺伝子の能力だ何だとかいう,性別を決定する科学的根拠のあるデータを一切使わないとしたら,当たる確率は1/2になる.人間の性別は男か女しかないから当然だ.ここまでが,私の今までの考えだった.かなり短絡的ではあるけど論理的でもあると思う.結局確率は平均化されるんだから,「当たる」なんて言えないじゃん,という単純な答えである.

ところが,ある試行の漸近的な確率(この言い方が正しいのかは分からないけど)が平均化されるには,上に書いたような「科学的根拠のあるデータを使わない」という条件プラス,「無限に試行を行う」という条件が必要になるはずだ.したがって,ある予想の妥当性は,無限に試行を行うことができない我々には計りようがないことになる.

一方で,こう考えることもできる.ある予想の方法が,無限に子供たちの性別を予想し続けたとするとなら,それが当たる確率は1/2に違いないのだが,試行回数が無限に達するまでなら,どんなブレも許容し得るはずだ.そうすると,例えば最初の100回の試行について,その予想が全て当たり,そこから残りの無限-100回の試行を経て,当たる確率が1/2に落ち着くような方法もあるはずである.全く同じような考えに基づいて,何らかの神秘的な,かつ予想しようとする対象とは無関係な事柄を用いて(例えば惑星運動とか),これまでの1000年間,予想が当たる確率が80%で,残りの無限-1000年間で,当たる確立がゆっくりと1/2に落ち着くような予想の方法が存在しても全くおかしくはない.そのような方法のことを「占い」と呼ぶのではないか.

この話はもっぱら,個人的に占いというものを自分に納得させるために思い付いた話なので,逆説的な感はいなめないが,全く当たらない占いの方法が長きに渡って生き残れるとも思えないので,少しは正しいような気もする.